ニュース

【所員’s OFF TIME④】津軽

夏休みに、太宰治の故郷である青森県金木町を訪れました。

太宰治の「津軽」という小説が好きで、以前から行ってみたいと思っていました。一番好きな場面は、Sさんが「卵味噌」を連呼するに至るまでの熱狂的な歓待の場面です。

新青森から奥羽本線で川部へ行き、川部から五能線に乗り換えて五所川原へ行きます。

五所川原で津軽鉄道に乗り換えるのですが、二つの企画(風鈴列車と太宰列車)を兼ねている列車が運行中でした。車内では、観光アテンダントの方による車窓の風景の紹介や、太宰治の作品の朗読がありました。希望者には小さな地図も配布されました。

金木で下車して歩き始めたところ、前方から自転車がきました。自転車に乗った人が「こんにちは」と明るく挨拶をしてくれます。そのまま自転車を停めて「今、開けますから」と言われ不思議に思っていると、近くの建物のドアが開きました。戦争中に太宰が家族を連れて疎開した離れが、「太宰治 疎開の家」として公開されており、受付の人が外出から戻ったタイミングで通りかかったようでした。16歳の頃の太宰治の写真を見せてもらいました。

その後、「斜陽館」へ行き、小説の舞台になった生家の様子を見ることができました。津軽三味線会館とのセット券をおすすめされて購入、生演奏が始まる時間を教えてもらいました。津軽三味線会館では、津軽三味線の歴史や手拍子のタイミングを教わりながら、「津軽よさり節」「津軽じょんから節」の演奏を聴くことができました。
近くのお寺に行ったところ、境内を掃除していた人が「地獄絵を見ますか」と声をかけてくれました。本堂にあがって、太宰治の幼少期の思い出に登場する地獄絵を見せてもらいました。

芦野公園へ移動して「駅舎」という喫茶店で休憩。公園を散策していると、太宰治の銅像がありました。小さな動物園もあり、ウサギとヒグマが飼育されていました。

昼寝しているヒグマを眺めていると、遠くへ来た実感がわいてきました。

帰りの列車で、朗読の続きをきくことができました。

津軽の人の親切さを随所で感じた旅でした。

(所員S)

 

津軽鉄道             疎開の家