ニュース

【所員’s OFF TIME⑬】マラソンは自分自身と二人きりで向き合う時間

 「趣味は何ですか?」と問われると即答に悩みます。ラグビー観戦、釣り、富士山を見ること、野球観戦、サザンオールスターズ、・・・。いろいろと思い浮かぶのですが、でもやっぱりマラソンが一番です。

 年に1~2回の大会出場に向けて、日々、走っています。中断はあるものの、就職以来の趣味ですから、かれこれ40年のランニング経験になります。

 『なんでそんな苦しいことをわざわざお金を払ってやるの?』と尋ねられることがあります。確かに、楽なこととはいいがたいですね。

 スタート地点に立つワクワク感。1㎞5~6分のペースを守って走る心地よさ、周りのランナーの足音を聞きながら、追い越そうか、それともこの人について走ろうかと、一緒に走るランナーと言葉にならない対話をしながら走る一体感。折り返しを通過して往路のランナーに声援を送られ励まされて力が湧いてくる何とも言えない心地よい感覚。でも一番の楽しみは、35㎞地点あたりからの自分との対話です。レースの後半、体もつらくなってきますが、それだけに、何もかもかなぐり捨てて、走りに集中せざるを得ません。もう一人の自分が語り掛けてきます。

 もう一人の自分『大丈夫か?少し右のアキレス腱に違和感があるぞ』

 私      「35㎞まで来たんだから、頑張るしかないよ」

 私      「1㎞が長いなあ」

 もう一人の自分『もう少しで給水だ。あそこまで行けば少し休めるぞ』

という具合に、もう一人の自分と私自身が向き合う時間に没入します。そんな没入感がなんとも楽しいです。

 そして、この頃感じることがあります。若いころは、『少しでもいいタイムで走ろう』と思ったり、月間で走る目標距離をクリアすることに躍起になったりしました。しかし、そのようなことはどうでもよくなりました。そ れよりも『走ること自体が楽しい』という心境です。走ることで、もう一人の自分と向き合う時間に没入すること自体が楽しみになりました。

 (所員 M)