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【所員’s OFF TIME⑯】熱中症に気を付けよう―九死に一生の恐怖体験でしたー

 2018年9月のある日、暑い日だった。初秋のさわやかな風を楽しむ低山ハイキングの一人旅でした。JR青梅線、鳩ノ巣駅で下車。緑豊かな集落の道を通り抜け、傾斜のある山道に入る。城山経由(759m)し、大楢峠へ向かう予定で少し汗をかきながらも快適な登りだった。

 ところが城山直下数十メートル手前の急斜面で、おお汗をかくようになりよぼよぼ足になる。水を口に入れるがすぐ吐いてしまう。これを数回繰り返した。ついに歩けなくなってしまった。急斜面の山道で身体仰向けに青空を見る状態になった。自力で起き上がれない。困った。声をかける人もいない。寝ている私の腹の上に蟻が容赦なく登ってくる。

 体力回復に期待をすることにした。数十分が経過した。気を取り直してお腹に力を入れる。だが自力では起きれない。脳が「起きろ」と指令を出すのだが身体が拒否する。不思議な時間だった。漠然とした生死の恐怖に襲われたひと時だった。

 無意識に何気げなくリックの中に手を入れていた。携帯を取り出し、110番。

いきなり「どうした」、「今どこにいる」のかん高いが携帯から流れた。さらに「わかった。すぐ向かう」、「電池が切れるからいったん切る。また連絡する」で切れた。

 ・・・・静寂の2時間が経過していた。ダメかと不安がよぎる。突然、目の前に「ハアーハアー」と息荒く呼吸をしている救助隊員2名が現れた。「水を吐いちゃうんです」と私。すかさずA隊員がポケットから「これをゆっくり飲んでみろ」とペットボトルを渡してくれた。アクエリアスだった。不思議なことにごくごくと飲めるのだ。これを見ていたA隊員が「意識あるか?」言いながら「指を左右に動かしつつ目で追ってみろ」、すかさず「頭は大丈夫だ」。B隊員に向かって「血圧はどうだ?」のやり取りが気持ち良く聞こえてくる。

すぐA隊員がしゃがんで「おんぶするから背中に乗れ」。『起きれない』と私。「じゃ、ヘリを呼ぶか。」。『大げさにしたくないんです』と私。「もう大げさになっている。坂下の林道に奥多摩消防隊数十名と救急車が待機している」。一瞬の沈黙。「わかった。タンカーにしよう」。

・・・・1時間後、7~8名の隊員とプラチック性の雪ぞり(タンカ)が来た。それに大の字に寝ている私の体を数人でポンと移してくれた。タンカは6名の隊員が前後左右にロ-プを腰に巻き、タンカをつるして安定をさせていた。私にとって夢心地の良い下山となった。死から生への至福の時間でもあった。救急車で青梅総合病院へ。青梅市立総合病院の診察は脱水症状(熱中症)でした。500mlを2本、急速点滴。30分もたたずに歩けるようになった。入院なしで無事自宅へ。(補足)アクエリアスは私の行動飲料となりました。

事故翌日、青梅・奥多摩消防隊員様宛にお礼のはがきを送りました。

                                                                              所員 H